GUIDE|売却の基礎知識

売却の相談に、何を持っていくか

「相談に行くのに、何を持っていけばいいですか」。よくいただく質問ですが、答えから言うと、全部そろえてから来る必要はありません。書類は後からで間に合いますし、住所さえ分かれば、こちらで集められるものもかなりあります。それでも「これがあると話が早い」というものはあります。どこにあるか、無かったらどうするかまで、まとめておきます。

2026年8月16日時点の情報です。法令・制度は改正されることがあります。

結論:あるものだけで、相談は始められます。書類が見つからないことを理由に、売却をあきらめる必要はありません。
  • あると話が早いのは3つ。①固定資産税の納税通知書 ②権利証(または登記識別情報通知)③測量図・建築確認の書類。
  • どれも、無ければ代わりの道があります。再発行できない書類にも、制度上の受け皿が用意されています。
  • 実印・印鑑証明書・費用は、最初の相談では使いません。

1. あると話が早い「3点セット」

① 固定資産税の納税通知書

毎年6月ごろ、23区なら都税事務所から届く封書です。とじ込まれている「課税明細書」に、土地の地番・家屋番号・地積・評価額がまとまっています。物件を登記のうえで特定できるので、相談の最初の一枚としていちばん役に立ちます。

課税明細書の模式図。所在地の欄に登記の地番、価格の欄に固定資産税評価額が載る。地番はふだんの住所と違うことがあり、評価額は売れる値段ではないという2つの注意つき
見るのは「地番」と「価格(評価額)」の2か所。地番はふだんの住所(住居表示)と別の番号で、評価額は税額計算のための数字です。売れる値段とは別物なので、この額を見て落ち込む必要はありません。

見つからない場合、納税通知書そのものは再発行されませんが、都税事務所や市区町村の窓口で固定資産評価証明書や名寄帳を取れば、同じ内容を確かめられます(請求できるのは所有者本人・相続人などに限られます)。

② 権利証、または登記識別情報通知

「権利証」と呼ばれているのは、登記所ごとに平成17〜20年(2005〜2008年)にかけて発行が終わった登記済証のことです。それ以降は、12桁の英数字が書かれた「登記識別情報通知」に変わりました。緑色の用紙で、番号の部分は目隠しされています。

左は朱色の登記済の印が押された登記済証(権利証)、右は緑色の帯と目隠しされた12桁の英数字がある登記識別情報通知。どちらも効力は同じで再発行はできないが、無くしても売却はできる
形は違っても役割は同じです。目隠しのシールは、はがさずそのままにしておいてください。

相談の段階では「あるかどうか」が分かれば十分です。原本をお預けいただく必要はありません。見つからなくても売却はできます。再発行はされない書類ですが、決済の際に司法書士が本人確認情報を作成する方法や、法務局からの事前通知による方法が不動産登記法に用意されています(本人確認情報の作成には別途費用がかかります。金額は依頼する司法書士にご確認ください)。

③ 測量図・建築確認の書類

ここは「家にしか無いもの」と「法務局などで取り直せるもの」に分かれます。

  • 家にしか無いもの:境界確定測量図、隣地との境界確認書、建築確認済証、検査済証。購入時・建築時の書類一式に入っていることが多く、あれば強い味方です。
  • 取り直せるもの:登記事項証明書、公図、地積測量図、建物図面。法務局で誰でも取得でき、こちらで集められます(地積測量図などは、そもそも備え付けの無い物件もあります)。

検査済証を無くした場合、再発行はありませんが、区役所で台帳記載事項証明書を取ると建築確認の記録は確認できます。境界や測量図まわりで不安がある場合の進め方は、境界がはっきりしない実家は売れるのかに分けて書きました。

2. 相続がからむときに加わるもの

親から相続した家の売却では、次の書類が加わります。こちらも「あれば」で大丈夫です。

  • 遺産分割協議書:作成済みであれば。まだ話し合いの途中でも相談はできます。
  • 戸籍の一式、または法定相続情報一覧図:相続人が誰かを示す書類です。銀行や年金の手続きで既に作っていれば、それがそのまま使えます。
  • 相続登記が済んでいるか:済んでいなくても相談は先にできます。買主へ引き渡すまでには必要で、2024年4月1日からは、相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が義務になりました(正当な理由がないのに怠ると10万円以下の過料の対象です)。

相続から売却までの全体の流れは、親が亡くなった後、実家を売るにはにまとめています。

3. 持ってこなくていいもの

  • 実印・印鑑証明書:売買契約や登記の段階で使うもので、最初の相談では使いません。
  • 費用:相談・査定に費用はかかりません。
  • きれいに整理したファイル:分厚い袋のまま、封筒のままで大丈夫です。どれが要る書類かは、こちらで見分けます。

4. 見つからないときの探し場所

購入したときの書類は、不動産会社や銀行の名前が入った分厚い袋・ファイルに一式まとまっていることが多いです。実務でよくお聞きする保管場所は、だいたい決まっています。

  • 仏壇まわりの引き出し、和室のタンスや押し入れの天袋
  • 自宅の金庫、銀行の貸金庫
  • 通帳・年金・保険の書類と同じ場所(大事な紙は一か所に集まっている家が多いです)

ご実家の場合は、探す前にご本人やごきょうだいに「家の書類はどこにしまっていたか」を聞くのが早道です。

5. 何も見つからなくても

住所が分かれば、登記事項証明書・公図・地積測量図はこちらで取得できますし、評価額の資料も窓口で取り直す道があります。書類集めから段取りに含めてご案内しますので、「何も無いから」と相談を先送りにする必要はありません。連絡先を残さず試したい方は、住所だけで使えるおうち健診からどうぞ。

よくあるご質問

Q. 権利証が見つかりません。売れませんか?

A. 売れます。権利証(登記済証)や登記識別情報通知は再発行のできない書類ですが、無くしたときのために、決済の際に司法書士が本人確認情報を作成する方法や、法務局からの事前通知による方法が不動産登記法に用意されています(本人確認情報の作成には別途費用がかかります)。相談の段階では、あるかどうかが分かれば十分で、原本をお預けいただく必要はありません。

Q. 納税通知書を捨ててしまったかもしれません。

A. 納税通知書そのものは再発行されませんが、都税事務所(23区の場合)や市区町村の窓口で固定資産評価証明書や名寄帳を取ると、地番・地積・評価額など同じ内容を確かめられます。請求できるのは所有者本人や相続人などに限られます。相談だけなら、住所が分かればこちらで調べられる範囲でも始められます。

Q. 相続登記がまだですが、相談してもいいですか?

A. 相談は先にできます。買主へ引き渡すまでには相続登記が必要で、2024年4月1日からは、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が義務になっています(正当な理由がないのに怠ると10万円以下の過料の対象です)。売却の準備と登記の手続きは並行で段取りできますので、登記が済んでいなくても早めにご相談ください。

Q. 亡くなった親の名義のままです。誰が相談に行けばいいですか?

A. 相続人のどなたかおひとりで大丈夫です。売るには最終的に相続人全員の合意(遺産分割)と相続登記が必要になりますが、相談や査定の段階は代表の方だけで進められます。当社は、値段の根拠や途中の経過をごきょうだい全員が同じ資料で見られる形にしていますので、離れて住むご家族への説明にもお使いいただけます。

出典・参考

※いずれも2026年8月16日閲覧。評価証明書・名寄帳・台帳記載事項証明書の請求方法や手数料は、自治体ごとに取り扱いが異なります。各窓口でご確認ください。

この記事について

宅地建物取引士が執筆し、株式会社ユーエスハウジングが監修しています。祖父が西品川で開いた質屋「越後屋」から三代、路地の多いこの街で商売を続けてきました。相続した実家・空き家のご売却を媒介(仲介)でお手伝いしています。当社は買い取る会社ではなく、売る側に立つ仲介の会社です。

私たちについて 対応エリア
そろえるのは、こちらの仕事です

あるものだけ、袋のままお持ちください。足りない書類の集め方は、費用がかかるものは目安と一緒に、順番でご案内します。今日はまだ相談だけ、で大丈夫です。

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※本記事は2026年8月16日時点の一般的な情報のご提供を目的としたものです。必要な書類・取得できる証明書・手数料・手続きの取り扱いは、物件の状況・登記の状態・自治体など個別の事情により異なり、本記事の内容が手続きや成約の結果を保証するものではありません。登記・相続の専門的な判断は司法書士・弁護士・税理士にご確認いただき、具体的な売却の進め方は当社にご相談ください。

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