GUIDE|売却の基礎知識

親が亡くなった後、実家を売るには
——相続から売却・決済までの流れ

親が亡くなったあとの実家は、名義変更(相続登記)を済ませてはじめて売却できます。この記事では、相続人の確定から遺産分割協議、相続登記、媒介での売却、翌年の確定申告まで、全体の流れを順番にやさしく解説します。

2026年7月7日時点の情報です。税制・法令は改正されることがあります。

結論:実家は名義変更(相続登記)を済ませないと売れません。流れは、①相続人の確定 → ②遺産分割協議 → ③相続登記 → ④媒介で売却 → ⑤翌年に確定申告。やることは多く見えますが、急がず順番に進めれば大丈夫です。

全体像|相続開始から売却までの5ステップ

親が亡くなった直後は、死亡届の提出(原則、死亡を知った日から7日以内)や葬儀、年金・保険の手続きが続きます。実家の売却はそのあとの話で、一般的には次の順番で進みます。

  1. 遺言書の有無を確認する
  2. 相続人を確定する(戸籍の収集)
  3. 相続財産を把握し、遺産分割協議で分け方を決める
  4. 相続登記(名義変更)を申請する
  5. 不動産会社と媒介契約を結び、売却・決済
  6. 売却した翌年に確定申告

大事なポイントは、亡くなった方(法律用語で「被相続人(ひそうぞくにん)」といいます)の名義のままでは実家を売却できないことです。名義を相続人へ移す相続登記が、売却の前提になります。つまり「売る前に、相続の手続きを一つずつ終わらせる」のが基本の順番です。

ステップ1|遺言の有無を確認し、相続人を確定する

まず、遺言書があるかどうかを確認します。自宅の書斎や金庫のほか、公正証書遺言(公証役場で作成する遺言)は公証役場で、法務局の保管制度を利用した自筆の遺言は法務局で照会できます。遺言があれば、原則としてその内容に沿って手続きが進みます。

遺言がない場合は、相続人が誰かを戸籍で確定します。被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を集め、相続人全員を洗い出す作業です。本籍地を何度か移している方だと複数の市区町村から取り寄せることになり、思いのほか時間がかかります。この部分は司法書士に依頼できるので、平日に動きにくい方は任せてしまうのも選択肢です。

ステップ2|財産を把握し、遺産分割協議で分け方を決める

実家のほかに、預貯金・有価証券・借入などの財産を把握したら、相続人全員で「誰が何を受け継ぐか」を話し合います。これが遺産分割協議です。合意した内容は「遺産分割協議書」という書面にまとめ、相続人全員が署名し実印を押します。この書面は、相続登記やその後の売却の場面で使う大切な書類です。

実家を売却して、その代金を相続人で分ける方法は「換価分割(かんかぶんかつ)」と呼ばれます。不動産は物理的に分けられないため、現金にして公平に分けたいご家族に選ばれることがある方法です。換価分割にする場合は、協議書にその旨を記載しておくと、後の手続きが進めやすくなります。

ステップ3|相続登記(名義変更)——2024年4月から義務化

遺産分割協議がまとまったら、法務局で相続登記を申請します。相続登記とは、実家の名義を亡くなった方から相続人へ変更する手続きのことです。

相続登記は2024年4月1日から義務化されました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料(行政上の金銭的なペナルティ)の対象となることがあります。

義務であること以前に、名義が被相続人のままでは買主へ所有権を移す登記ができず、売却そのものが進められません。売却を考えているなら、相続登記は「いつかやる手続き」ではなく「売却準備の第一歩」です。書類集めから申請まで司法書士に依頼できます。

ステップ4|媒介契約を結び、売却から決済へ

名義の整理と並行して、売却の準備を始めます。不動産会社に査定を依頼し、媒介契約(売却活動を任せる契約)を結んで売り出す、という流れです。査定額はあくまで参考値で、成約価格を約束するものではありません。

購入希望者が見つかったら、条件を調整して売買契約を結び、代金の受け取りと引き渡し(決済)を行います。決済の席では、司法書士が買主への所有権移転登記を担当するのが一般的です。相続した実家では、境界(隣地との境目)の確認、残置物(家財)の片付け、古い建物の扱いなど、事前に整理しておきたい論点が出やすいため、早めに不動産会社へ相談しておくと段取りが組みやすくなります。品川区をはじめ城南エリアの実家なら、地域の相場感を持つ会社に相談すると話が具体的になりやすいでしょう。

ステップ5|売却した翌年に確定申告

実家を売って利益(譲渡所得)が出た場合は、売却した年の翌年に確定申告をします。時期は例年2月16日〜3月15日が目安です。

税額の計算では、取得費(親がその家を買ったときの代金など)と取得時期を被相続人から引き継ぎます。親が購入したときの売買契約書が残っているかどうかで計算が大きく変わることがあり、取得費が分からない場合は「概算取得費」として譲渡価額の5%で計算する扱いになる場合があります。契約書などの書類は、早い段階で探しておきましょう。

また、要件を満たす場合には、相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除や、相続税を納めた方の取得費加算の特例の適用を受けられることがあります。適用できるかどうかは細かな要件次第ですので、関連記事を参考に、税理士へ確認するのがおすすめです。

よくあるご質問

Q. 相続登記が終わる前に、売却の相談や査定はできますか?

できます。売買契約や引き渡しは名義変更の後になりますが、査定や売り方の相談、片付け・境界確認の段取りは登記と並行して進められます。相続人全員の意向がそろっているなら、早めに相談して全体のスケジュールを組むほうが進めやすくなります。なお査定額は参考値であり、成約価格を約束するものではありません。

Q. 相続登記をしないまま放置するとどうなりますか?

2024年4月1日からの義務化により、取得を知った日から3年以内の申請が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となることがあります。また、名義が亡くなった方のままでは売却できず、放置中に次の相続が発生すると相続人が増えて話し合いが難しくなりがちです。

Q. きょうだいで実家を分けたいときはどうすればよいですか?

実家を売却して代金を分ける「換価分割」という方法が検討されることがあります。遺産分割協議書に換価分割である旨を記載したうえで売却し、取り決めた割合で代金を分けます。分け方や税務への影響は個別性が大きいため、司法書士・税理士への確認をおすすめします。

Q. 空き家のまま売ると、税金の特例はありますか?

要件を満たす場合、相続した空き家を売ったときの譲渡所得の3,000万円特別控除の適用を受けられることがあります。建物の建築時期や売却時期などの要件があるため、適用の可否は税理士等にご確認ください。相続税を納めた方は、取得費加算の特例を使える場合もあります。

出典・参考

実家の売却、順番の整理からお手伝いします

「何から手を付ければいいか分からない」という段階のご相談で構いません。株式会社ユーエスハウジングは媒介(仲介)で売主側に立ち、相続登記や税の論点は提携の司法書士・税理士へお取次ぎします。

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※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の税務・法務判断については税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。株式会社ユーエスハウジングでは、提携専門家へのお取次ぎも承ります。

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